1999年11月13日午後、名古屋市西区稲生町5丁目の3階建てアパート2階に住む32歳の主婦、高羽奈美子 さんが、自宅で何者かに刃物で首を刺され死亡しました。
幼い2歳の息子がそばにいたにも拘わらず、犯人は室内に侵入し、現金や貴重品が奪われた形跡もないまま逃走。
未解決事件の象徴ともされてきました。 愛知県公式サイト+2文春オンライン+2
現場には血痕、足跡、靴痕などが残されており、「解決が近い」と言われながらも、その後25年以上にわたって真犯人の特定には至っていません。 FNNプライムオンライン+2東海テレビ放送+2
そこで今回この記事では
- なぜこの事件は起きたのか。嫉妬か、逆恨みか、あるいは…?読者の心に迫る動機の“裏側”
について、あまり知られていない深層に迫りますので、ぜひ最後まで読んでいってください!
それでは、早速始めましょう!
名古屋主婦殺人事件の動機とは?“あまり知られていない”動機への手掛かり

ここからは、一般報道であまり深く掘られていない「動機の手掛かり」に焦点を当てます。
高校同級生という縁
被害者の夫、高羽悟 さん(当時約37歳)は事件当時、高校の同級生だった女性からバレンタインチョコや告白を受けたことを語っています。
つまり、犯人と夫には20年以上前から“縁”があった可能性があります。
この“高校~同級生”という関係性は、多くの報道では「知人」あるいは「訪問者」とのみ記され、「同級生」「高校時代の関係」までは言及されていません。
そこに、動機を探るヒントが隠れています。
現場に残された“矛盾”
- 物盗りを目的とした家宅侵入には見えず、貴重品・現金は手つかず。
- 侵入のために準備されたと思われる「乳酸菌飲料パック」が持ち込まれていた――被害者方では普段飲まなかった銘柄。
- 被害者宅に関して「夫に近い女性が“訪問”を許す状況」だった点。
これらの点は、単なる強盗ではなく“誰かが既に信頼を得た上で”訪問を許されていた可能性を示しています。
長期の否認・DNA提供拒否
容疑者として浮上していた女性は長年、DNA提供を拒否しており、2025年10月にようやく任意で提供。
提出後間もなく、自ら出頭しています。
これだけの時間をかけて否認・拒否を続けた背景には、「感情的な動機」「私的な関係」「世間に明かしたくない事情」があることが推察されます。
3つの有力シナリオ
次に、これらの手掛かりをベースに動機として考えられるシナリオを整理します。
あくまで“仮説”です。
シナリオ①/「長年の片思い――若い妻への嫉妬」
高校時代に好意を寄せていた男性が、年月を経て若い女性と結婚・子どもまで。
過去の想いを断てないまま、再会(同窓会など)を通じて「私は選ばれなかった」という感情が再燃。
そこに「妻」「家庭」「子ども」という存在が「自分を否定した象徴」として立ちはだかり、加害対象へと変質した可能性があります。
このシナリオでは、乳酸菌飲料や24 cmの靴など“準備された訪問”という点とも整合する――
訪問の動機が“知人・同級生”だからこそ自然に入り込めたのです。
シナリオ②/「再接近の試み→拒絶→逆恨み」
被疑者は、男性(夫)に近づくため、何らかの“関係”を作ろうとしたが、若い妻の影響や家庭の生活によって遮られた。
または、同級生会や仕事の話など“再起をかけた接触”を図ったが、断られた。
そこから「関係を持てないなら、存在を消してしまえばいい」という形で、逆恨み的な殺意に至った可能性があります。
この場合、被害者自身は目的の“障害”として認識され、殺害は「排除」目的となります。
貴重品が手つかずという点も、金銭目的ではなく“排除”型を示唆します。
シナリオ③/「自己完結型・妄想的世界」
長年にわたり想いを募らせてきた人物が、現実の家庭や妻・子どもという構図を「自分を選ばなかった仕組み/裏切り」と解釈。
訪問準備(飲料購入・足取り計画)から見えるように、加害者には計画性もあり、「自分だけがこの男性の“正しい選択肢”だった」という妄想的確信があった可能性。
被害者を殺害することで「私はここにいた」「あの人は私を見た」という執着の証明を図ったとするなら、外部に相談することなく、孤立して準備を進めるこのパターンと高い整合性があります。
読者に届けたいこと
- この事件は、どこかで「他人事」として語られがちですが、実際には「過去の感情」「再会」「嫉妬」「女性の逆転劇」という、私たちにも起こり得る“人間ドラマ”を内包しています。
- 誰かが「選ばれない」という切なさを抱えたまま、時間を重ねていく。そこに再会・日常・家庭という条件が加わり、思いもよらぬ悲劇へと転じる――その構図は、私たちの心に深く響きます。
- また、「24 cmの靴」「乳酸菌飲料」「高校の同級生」という“細部”が動機解明の鍵となるということ。捜査を超えて、私たちも“些細な事実”に注意を向ける必要があります。
名古屋主婦殺害事件 年表(1998〜2025)
| 年月日 | 出来事 | 補足/ポイント |
|---|---|---|
| 1998年秋頃 | 高羽悟さん(夫)と安福久美子(のちの容疑者)が高校の同窓会で再会 | 20年以上ぶり。悟さんは既婚で2歳の子どもがいることを話す。 |
| 1999年11月13日 午後 | 名古屋市西区稲生町の「加藤コーポ201号室」で主婦・高羽奈美子さん(32)が殺害される | 首などを複数回刺される。息子(当時2歳)が無事発見される。 |
| 1999年11月〜2000年 | 捜査本部が約4万人を調査。現場から女性サイズ(24cm)程度の靴痕と血痕DNAを採取 | 当時のDNA技術では一致せず。犯人像は「面識ある女性」説が有力に。 |
| 2001〜2005年頃 | 夫の高羽さん、事件現場のアパートを借り続けて供養を続ける | 約26年間で家賃総額2,000万円超。「妻を忘れないため」と語る。 |
| 2010年代 | 捜査資料が再分析。DNA技術の進化により新たな照合が可能に。 | 再捜査対象者が絞り込まれていく。 |
| 2025年春 | 愛知県警が複数の女性関係者を任意で聴取。安福久美子容疑者もリストに。 | 事件当時43歳、現在69歳。港区在住。 |
| 2025年夏 | 安福容疑者、DNA提出を一度拒否。その後10月に任意で提出。 | 提出直後、DNAが現場の血痕と一致。 |
| 2025年10月30日 | 安福久美子容疑者、自ら名古屋西警察署に出頭。「私がやりました」 | 25年ぶりの真犯人特定。未解決事件がついに動く。 |
| 2025年10月31日 | 愛知県警が正式に逮捕・発表。「動機は捜査中」 | 夫は「まさか同級生だったとは…」と絶句。 |
| 2025年11月現在 | 動機は「個人的感情」とみられる。報道各社は「長年の片思い」「嫉妬」「逆恨み」説を報道。 | 精神鑑定の実施も検討中。 |
人物相関図(テキストビジュアル)※敬称略
┌───────────────┐
│ 高羽 悟(夫・当時37歳)│
│ 名古屋市西区在住 │
│ 高校時代:安福久美子と同級生 │
└─────┬─────────┘
│ 再会(同窓会1998)
▼
┌───────────────┐ ┌──────────────┐
│ 高羽 奈美子(妻・被害者) │←――嫉妬・逆恨み?――│ 安福 久美子(容疑者・当時43歳)│
│ 明るく近所付き合い良好 │ │ 港区在住アルバイト │
│ 2歳の息子と在宅中に襲撃 │ │ 高校の同級生・過去に告白 │
└───────────────┘ └──────────────┘
▲
│ 事件発生(1999.11.13)
▼
┌───────────────┐
│ 長男(当時2歳・無事保護)│
│ 「ママが倒れてる」と通報 │
└───────────────┘
関係の特徴とポイント
- 「高校同級生」関係が核心。事件は偶然ではなく「再会」から動いた人間関係型。
- 夫への恋愛感情(片思い)→若い妻への嫉妬→排除願望という心理的構図が浮かぶ。
- 乳酸菌飲料パック=訪問を自然に見せるための“演出小道具”。
- 物取りでない/子どもは無傷/現場が整然=感情の爆発を伴う“私的怨恨”型。
まとめ
この事件の核心は、「25年の沈黙を貫いた“感情の封印”がDNA技術によって破られた」点です。
安福久美子容疑者は、愛情・嫉妬・孤独・後悔――
それらすべてを抱えたまま年月を過ごしてきた可能性があります。
未解決事件の解明は、科学だけでなく“人間の感情の理解”によっても進む。
この年表と相関図は、その象徴でもあります。
またこの事件は「何となく怖い」「解決していない」だけのものではなく、私たちの日常にある“感情”“記憶”“時間”が絡み合って起こったドラマだと言えます。
報道では語られにくい“裏側”に米粒ほどのヒントが残されており、読むほどに胸がざわつく――
それがこの事件の怖さであり、深さでもあります。
あなたがこの記事を読んだ時、きっと「もし自分だったら」「あのとき気づけたら」という想いに触れたはず。
そんな想いを“記憶”として持ち帰っていただければと思います。

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