1978年、若き日本人女性・田口八重子さんが突然姿を消しました。
それから数十年後、北朝鮮による拉致の可能性が浮上し、そしてもう一人の女性――元北朝鮮工作員・金賢姫（キム・ヒョンヒ）さんの証言が新たな衝撃をもたらします。
金賢姫さんが語った「日本語教師・李恩恵（リ・ウネ）」こそ、実は田口八重子さん本人だったのではないかというのです。
北朝鮮が主張する「1986年の交通事故死」説と、金賢姫さんの「生存している」という証言。
そこで今回この記事では
- あまり知られていない証言と時系列の矛盾にも注目、拉致と爆破という闇
を解く鍵を探るべく、この矛盾を軸に大韓航機機爆破事件との知られざる関係をわかりやすく解説しますので
ぜひ最後まで読んでいってください！
それでは、早速始めましょう！
田口八重子＝李恩恵説の真実・金賢姫が語る生存と大韓航空機爆破事件の闇
目次
- 田口八重子さん失踪の背景
- 金賢姫さんが語った「李恩恵＝田口」証言
- 北朝鮮の“交通事故死”主張に潜む矛盾
- 大韓航空機爆破事件と日本人偽装訓練の関係
- 生存を示唆する証言と家族との再会
- 時系列で見る出来事の流れ
- この事件を掘り下げる意味
- まとめと今後の展望
1. 田口八重子さん失踪の背景
1978年6月、当時22歳だった田口八重子さんは、突然行方不明になりました。
当初は「家出」や「失踪」として扱われていましたが、その後の調査で北朝鮮による拉致の可能性が高いことが判明しました。
ご家族は長年にわたり情報を探し続けていますが、明確な手がかりは得られていません。
2. 金賢姫さんが語った「李恩恵＝田口」証言
金賢姫さんは取り調べや公判の中で、次のように証言しています。
「私に日本語や礼儀作法、買い物やディスコなど日本人の生活文化まで教えてくれた“李恩恵”という女性がいました。報道で彼女が日本人・田口八重子さんだったと知りました。」
警察庁もこの「李恩恵＝田口八重子」説について、「可能性が高い」と公式資料で認めています。
つまり、この証言は単なる憶測ではなく、公的機関も一定の信頼性を持って受け止めているのです。
3. 北朝鮮の“交通事故死”主張に潜む矛盾
2002年、北朝鮮は拉致の一部を認めながらも「田口さんは1986年に交通事故で亡くなった」と発表しました。
しかし、その主張には大きな矛盾があります。
- 遺骨や死亡証明書を一切提示していない
- 墓が洪水で流されたといった説明が他の被害者と同じ形式で不自然
- 金賢姫さんの証言や時系列と合致しない
アメリカの人権団体HRNKの報告書でも、この説明を「信憑性に欠ける」と指摘しています。
つまり、北朝鮮の“死亡”主張には決定的な裏付けがないのです。
4. 大韓航空機爆破事件と日本人偽装訓練の関係
1987年に起きた大韓航空機爆破事件。
金賢姫さんは日本人「蜂谷真由美」と名乗り、周到に偽装してこの作戦に参加しました。
その完璧な日本人らしい振る舞いの背景には、「日本語教師・李恩恵」からの徹底した訓練があったとされています。
この訓練では、単なる語学ではなく、日本人特有の動作・言葉遣い・日常の癖まで再現する内容が含まれていました。
つまり田口さんは、北朝鮮の工作員教育の中心的存在として利用されていた可能性があるのです。
5. 生存を示唆する証言と家族との再会
2009年、金賢姫さんは釜山で田口八重子さんの長男・飯塚耕一郎さんらと面会しました。
その際、彼女は「お母さんは生きています」と伝えたといいます。
さらに、2010年には来日して再び家族と面会。
そして2022年のインタビューでも、「北朝鮮は機密を守るために“死亡”を偽っている」と語りました。
このように、金賢姫さんの証言は一貫しており、今も生存の可能性を否定していません。
6. 時系列で見る出来事の流れ
| 年 | 出来事 |
|---|---|
| 1978年6月 | 田口八重子さんが失踪（拉致疑惑が浮上） |
| 1980年代前半 | 金賢姫さんが“李恩恵”から日本語教育を受ける |
| 1987年11月 | KAL858便爆破事件が発生、日本人偽装で関与 |
| 1988〜1989年 | 金賢姫さんが拘束・裁判で死刑判決 |
| 1990年 | 恩赦により釈放（韓国政府） |
| 2002年 | 北朝鮮が拉致を認めるが、田口さん死亡を主張 |
| 2009年 | 金賢姫さんと田口家族が釜山で面会、生存を伝える |
| 2010年 | 金賢姫さんが来日し、再び家族と面会 |
| 2011年 | 平壌で田口さんの目撃情報（報道） |
| 2022年 | 金賢姫さんが再び「生きている」と発言 |
7. この事件を掘り下げる意味
田口八重子さんの事件は、単なる「過去の拉致」ではありません。
彼女の存在が北朝鮮の工作員教育や国際テロと結びついていたとすれば、これは国家犯罪の連鎖を示す証拠になり得ます。
また、家族の苦しみや希望は、今も続いています。
金賢姫さんの証言は、その希望の糸口として無視できない重みを持っているのです。
まとめ
金賢姫さんが語る「李恩恵＝田口八重子」説は、大韓航空機爆破事件と北朝鮮の拉致問題をつなぐ重要なカギです。
北朝鮮が主張する「1986年の死亡説」は根拠に乏しく、むしろ生存を示す情報が増えています。
今後、真相に迫るためには以下の取り組みが求められます。
- 北朝鮮からの公式資料やDNA鑑定結果の開示
- 国際的な合同調査チームの設置
- 被害者家族への継続的な情報共有
この事件は、終わった過去ではなく、いまも進行中の人道問題です。
真実を求め続けることこそ、被害者と家族の尊厳を守る第一歩だと思います。
参考・引用元
- 警察庁「“李恩恵”事件」
- 外務省『Abductions of Japanese Citizens by North Korea』
- HRNK『TAKEN!』報告書
- ロイター／The Guardian／Japan Forward 各報道
- Wikipedia「Kim Hyon-hui」「Yaeko Taguchi」
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