2002年10月、北朝鮮から24年ぶりに帰国した蓮池薫さん。
彼の人生は「拉致被害者」として知られていますが、今も静かに闘い続けていることは、意外と知られていません。
2025年の現在、蓮池さんは大学教授・翻訳家・研究者として第二の人生を歩みながら、風化と無関心に抗い続けています。
そこで今回この記事では
- 蓮池さんの現在—大学教授・翻訳家としての静かな闘い。拉致被害者から研究者・知られざる「今」
を最新情報で追いましたので、ぜひ最後まで読んでいってください!
それでは、早速始めましょう!
拉致被害者・蓮池薫さんの現在 / 大学教授・翻訳家・研究者の今

新潟産業大学の教授としての現在
2023年4月から、蓮池薫さんは新潟産業大学 経済学部の教授を務めています。
担当科目は「韓国語」「国際の理解(平和と安全)」など。
学生には、北朝鮮での体験を単なる悲劇ではなく、“平和教育の生きた教材”として語りかけているのです。
大学の研究テーマも意外です。
「朝鮮古代史に対する韓国・北朝鮮の評価比較」など、歴史認識と国家思想の違いを学術的に掘り下げており、
拉致問題の当事者でありながら、“北を学術的に理解しようとする姿勢”を貫いています。
🧭「加害と被害を感情ではなく構造で理解しないと、平和は築けない」
——蓮池薫(大学講義より)
最新著書『日本人拉致』(岩波新書・2025年)
2025年5月に刊行された新著『日本人拉致』(岩波新書)は、
帰国後23年を経てようやくまとめ上げた、被害者による“決定版ドキュメント”と呼ばれています。
本書では、
- 北朝鮮での思想教育や日本語指導の実態
- 工作員教育の「言語戦略」
- 拉致を支えた社会構造と思想背景
など、「マインドコントロールの内部構造」を冷静に記録。
単なる体験記ではなく、人権と体制の交差点を問う研究書としても高く評価されています。
翻訳者としてのもう一つの顔
2024年には韓国の小説家キム・フンの作品『ハルビン』(新潮クレスト)を日本語訳。
安重根と伊藤博文の関係を描いたこの作品は、
日韓の“記憶の断層”を象徴する作品として注目を集めました。
被害者としての体験を越え、
「翻訳を通して東アジアの対話を紡ぐ」という活動も、蓮池さんの現在の重要な柱です。
講演活動:若い世代へ託す「記憶の継承」
2025年10月、蓮池さんは新潟県の高校や小学校で講演を行いました。
テーマは「自由と人権、そして平和の意味」。
聴講した高校生は口々に「“他人事じゃない”と感じた」と語っています。
🌱「拉致問題は、国家と人間の関係を問う問題です。
被害者を帰すことは、未来の私たち自身を守ることなんです。」
蓮池さんの語りは、怒りや悲しみではなく、静かな使命感に満ちています。
「風化させない」という意志が、教育現場に息づいています。
年表:蓮池薫さんの現在までの歩み(抜粋)
年 | 出来事 |
---|---|
2002 | 北朝鮮から帰国(24年ぶり) |
2018 | 新潟産業大学 特任教授に就任 |
2023 | 同大学 経済学部 教授に昇格 |
2024 | 『ハルビン』(キム・フン著)翻訳刊行 |
2025 | 『日本人拉致』(岩波新書)刊行 |
2025 | 新潟県内で講演活動を精力的に展開 |
“知られざる現在の横顔”
- 北朝鮮を「敵」ではなく“構造として理解する対象”して捉える知的姿勢
- 柏崎市の地域研究拠点「柏崎研究所」への参画
- 研究・翻訳・教育の三位一体による「記憶の継承」活動
これはもう、単なる被害者の生ではありません。
蓮池薫さんはいま、「知の抵抗者」として静かに立っています。
まとめ
「拉致された人」から「語り継ぐ人」へ。
蓮池薫さんの現在は、“絶望のその先をどう生きるか”という問いに対するひとつの答えです。
彼の静かな生き方こそが、いまの日本に必要な「平和の力」なのかもしれません。
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